最悪 [奥田英朗]

最悪
奥田 英朗〔著〕
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お先まっ暗、出口なし それでも続く人生か

小さなつまずきが地獄の入り口。転がりおちる男女の行きつく先は?

不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢(あつれき)や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。無縁だった3人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。比類なき犯罪小説。(講談社HPより引用)



序盤にそれぞれ事情をもつ三人の生活が語られていきます。一人は鉄工所を営む川谷信二郎、一人は銀行に勤める藤崎みどり、あと一人はパチンコで日銭を稼ぐ野村和也。どこにでもいそうな珍しくもない三人が、どこかで道を誤り最悪の状態へと転がり落ちていく様がリアルに描かれています。

なぜこうなってしまったのか?

いつ間違えたのか?何が悪かったのか?

決定的なものはなく、細かな事象が重なって、どんぞこまで転がり落ちてしまう三人。

ちょっとしたことで思わぬ方向へと進んでしまうことは良くあることだと思います。どこかでそれにいち早く気づき軌道修正をしなければこの作品のように行くところまで行ってしまう怖さを感じました。環境が違えば落ちることはなかっただろうこの三人にも感情移入がしやすく、決して他人事とは思えないストーリーで、どうなるのか不安になりながらも読み進まずにはいられない面白さがありました。

この三人が繋がった場面はほんとに面白かったですね。三人+藤崎めぐみが同じ車に乗り逃走する場面は、笑ってしまうくらいに意外性があり、お互いが「なんで?」とわけが分からなくなっている情景になぜか笑みがこぼれました。

最後はやり直そうという気持ちが表われていて、すこしは救いがありました。
やり直せない人生なんてないというメッセージにも聞こえました。


ドラマ化されています。→BS-i

posted by 玉葱 at 2006年01月10日 | Comment(6) | TrackBack(11) | 奥田 英朗
この記事へのコメント
玉葱さん、お久しぶりです♪
TBありがとうございました(*^_^*)
>ちょっとしたことで思わぬ方向へと進んでしまう
この辺の描き方が秀逸でしたね〜。特に川谷さん!
わ〜、どうするのさ〜とドキドキしながら読みました。
ラストのちょっとした救いがいいクールダウンになりました。
また遊びに来ますね♪
Posted by そら at 2006年01月10日 07:59

おはようございます。
TBありがとうございました。
この作品は今でも鮮明に内容が心の中に残っております。それだけ強烈な内容だったからでしょうね。
テレビ化されたのは知りませんでした。

遅くなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。
Posted by ゆう at 2006年01月10日 09:00

TBありがとうございました。

最後の最後まで、この物語が何処へ行き着くのか分からない。
読者はいい意味で期待を裏切られる「犯罪小説」でしたね。
Posted by 祐樹一依 at 2006年01月10日 18:05

>そらさん
またいらしてもらえて嬉しいです(^^)
そうですね。ほんと、なんど川谷さんに「だめだよ!だめだよ!」って叫んだことか(笑)私もまた遊びに行かせてもらいます。

>ゆうさん
この作品はリアリティがあるんですよね。だから情景も浮かびやすくもある。私の心にも残りそうです。
こちらこそよろしくお願いします。m(._.)m

>祐樹一依さん
ほんと最後までドキドキでしたね。突っ込みいれたくなるような裏切り方でした。そっちかい!みたいなね(笑)思いもよらぬ方向へと進んでいく過程はほんとに楽しめました。
Posted by 玉葱 at 2006年01月12日 00:32

はじめまして
奥田英朗の作品二作目です
最初の「空中ブランコ」とかなり違ってて
戸惑いましたが
終盤川谷氏のプッツン辺りから楽しめました
Posted by at 2006年01月25日 00:12

>慧さん
はじめまして。
プッツンww (≧∇≦)ブハハハ!
いい表現しますね。確かにいいプッツンでしたww
あの辺りから思いもよらない展開になって面白くなりました。
Posted by 玉葱 at 2006年01月25日 01:35

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