流星ワゴン [重松清]

流星ワゴン

著者:重松清
出版社:講談社
本体価格:1,700円


ひきこもり、暴力をふるう息子。浮気を重ねる妻。会社からはリストラ寸前……死を決意した37歳の僕は、死んだはずの父子が運転する不思議なワゴン車に乗り込んだ。

37歳・秋
「死んでもいい」と思っていた。
ある夜、不思議なワゴンに乗った。
そして――自分と同い歳の父と出逢った。
僕らは、友だちになれるだろうか?

28歳のときぼくは父親になり、父は「おじいちゃん」と呼ばれるようになった。親になってからの日々は、時間が重層的に流れる。小学5年生の長女を見ていると、小学5年生の頃の自分を思いだし、その頃の父のことも思い出す。少しずつ、昔の父のことがわかってきた。こどもの頃はあれほどおっかなかった太い腕が、じつは決して太くはなかったんだとも気づいた。長生きしてほしい、なんて口に出すのは嫌だから、ぼくは父親と家庭の物語を紡ぐ。――(重松清)


実は、重松清さんの本を初めて読みました。非常によみやすく、読後感もすごくすがすがしいです。

この物語では『大切な場所』というのがキーワードの一つになっています。主人公が『大切な場所』を巡り様々な想いを抱きます。『大切な場所』で今まで見えていなかったことに直面しながら、主人公はなんとか今の状況を変えようとあがきます。 自らの人生に絶望していた主人公が、不思議な出来事をきっかけに、今が大切な場所だと気づく。そして一歩を踏み出す。その主人公の心の変化に非常に共感できるものがあります。


もしあの時あの場所にいれば・・・ もしあの時こうしていれば・・・

人生の中でたくさんの分岐点がありますが、その大切な場所も瞬間も、そしてその時見たことも知ったことも、今知っていることも、きっと一面に過ぎない。

そのことに気づくだけでも生き方が変わると思わせてくれる。
そして、まさに今大切な場所にいるのだと思わせてくれる。
一瞬一瞬を大切に生きていこうと深く感じさせてくれる。

そんな作品でした。 劇的ななにかがあるわけではありませんが、静かな感動を呼ぶ良い一冊でした。
posted by 玉葱 at 2005年08月25日 | Comment(3) | TrackBack(4) | 重松 清
この記事へのコメント
こんにちは。
この本は重かったですけど、色々学んだ気がします。
決して良いラストではないのかもしれないですけど、
思いっきり変わるよりは断然いいなぁと思いました。
この家族が、再び幸せになってほしいと思いましたね。
Posted by 苗坊 at 2006年01月06日 21:43

>苗坊さん
初めて読んだ重松作品というのもありますが、この作品はとても印象に残っています。この作品では、どんな状況であろうと気持ち次第で世界が変わるというのを教わった気がします。

私はラストはとてもいい終わり方だと思ったのを記憶しています。後ろ向きだった主人公の気持ちが前を向いたところで終わり、読者に力を与えてくれるような、きれいな終わり方だったように思います。(うろおぼえですが・・・ww)私はこういうの好きですね。私の中でかなりお気に入りの作品となっています。(この作品を読んでこのブログをやろうと思ったくらいですから・・・)

重松さんの作品はこの作品を含めてまだ2冊しか読んでませんが、最近疾走の映画化でも話題になっていますし、他のもいろいろ読んで見たいなと思っています。

おすすめの作品があったら教えてくださいね。
Posted by 玉葱 at 2006年01月07日 00:23

突然の書き込みで失礼します。流星ワゴンを呼んで感激し、舞台化しました。お近くでしたら是非観に来てください。原作を決して壊していません。家族への思いがいっぱい詰まっています。
劇団銅鑼公演「流星ワゴン」
原作=重松清(「流星ワゴン」講談社刊)
脚色=青木豪 演出=磯村純
会場=相鉄本多劇場(横浜駅前)
2月3日(金)PM7:00
4日(土)PM2:00とPM7:00
5日(日)PM2:00
料金(前売)一般=3500円 学生=2,500円

会場=兵庫県立芸術文化センター(西宮北口駅前)
2月9日(木)PM7:00
料金(前売)一般=3000円 学生=2,500円
お申し込み 03−3937−1101

流星ファンに、是非見て欲しい芝居です。
宣伝になってすみません。
Posted by ドラ at 2006年02月03日 02:06

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