99%の誘拐 [岡嶋二人]

99%の誘拐
岡嶋 二人〔著〕
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末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして十二年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第十回吉川英治文学新人賞受賞作!(文庫裏表紙より引用)


刊行されたのが1988年というだけあって、今読んでみると少々古臭さを感じます。特にハイテク尽くしと銘打っていますがコンピュータ関連で今では聞きなれない言葉も出てきて少々戸惑いもありますが、新しい古いは問題にならない程のトリックとテンポの良さで、非常に読みやすく次の展開を期待させる構成は見事としか言いようがありません。また、この作品は誰も傷つくことなく誘拐劇が繰り広げられるところにも好感が持てます。

ただ、登場人物の心情を推し量るのが少し難しく、読み終えても読者に委ねられている部分が残り、本当の所はどうなんだとすっきりしないところもあります。もう少し心の内を語ってもらいたかったというのが正直なところです。

この作品は吉川英治文学新人賞受賞作というだけでなく「この文庫がすごい!2005年版」で第1位にも選ばれています。評価されているのが納得できる作品でした。
posted by 玉葱 at 2005年09月24日 | Comment(5) | TrackBack(7) | 岡嶋 二人
この記事へのコメント
TBありがとうございます。こちらからもTBさせていただきます。
「この文庫がすごい!2005年版」という帯につられて買いましたが、たしかに登場人物の心情は難しいですよね。でも前の誘拐事件とうまくリンクしていて面白かった作品でした。
Posted by やす at 2005年09月24日 10:14

TBありがとうございます!

そうですねえ、結構古い作品でハイテクと
いうのも、如何せんイメージしにくい。

ただ、テンポや状況表現の手法は、今読んでも
古臭さを感じなかったのは、ただただ脱帽でした。
Posted by まんがや at 2005年09月24日 10:57

 TBありがとうございます^^
99%の誘拐、かなり昔に読んだ作品
なので、‘2005年この文庫本がすごい!’
で紹介されていたコトにビックリでした。
『何故、今更( ̄□ ̄;)?!』<@驚き


 ネット関係の犯罪(?)で
もう一作品懐かしいのが、
栗本薫さんの‘仮面舞踏会’。
パソコン通信・ニフティの時代^^;
今よりコアな人種が繰り広げる
ヴァーチャルな世界のミステリです。
Posted by 愛海 at 2005年09月24日 12:31

TBありがとうございます〜。
そう、私も、登場人物にもう少し
心情を語って欲しかったと思いました。同感です。
いや、しかしテンポの良さにはぐいぐいと引き込まれ。
文句を言いつつも、結局は楽しませていただいた作品でした。
Posted by くろ at 2005年09月24日 12:44

>やすさん
私も帯につられましたwそしてTBありがとうです。主人公は2つの誘拐事件をリンクさせることに意味を持たせたかったんじゃないかな〜と思います。勝手な推測ですが・・・(;^_^A

>まんがやさん
おっしゃるとおりで、いい作品に新旧なんて関係ないんでしょうね。そんな作品に出会えたのは嬉しい限りです。

>愛海さん
吉川英治文学新人賞を受賞したのが昭和63年だそうですから相当古いですね。時代を越えて評価されるというのはすごいことですね。「仮面舞踏会」読んでみますね。

>くろさん
想像力が欠如している私は言ってくれないと分からない人でしてwでもほんと、テンポの良さはピカイチですね。楽しく読めるというのは読み物の原点のような気がします。
Posted by 玉葱 at 2005年09月26日 23:54

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